「ハイドロの使い方」 2006/6/23
今日は、ハイドロサルファイトのシミ抜き台での使い方。
もう、すでに、多くの方がシミ抜きで、還元漂白をされているかもしれませんので、そういう方には、今さらながらの話しになります。
ただ、私見では、酸素系の漂白をマスターしてからする処理だと思っています。
私は、小皿にハイドロを少々とり… 水で数倍に薄め… そこに浸透剤の目的で、界面活性剤をごく少量入れます。
このように書くと、「どの種類の界面活性剤ですか?」と質問が来そうです。
現実、セミナー等でこのように言うと、かなりの確立で、この質問が来ます。
ザックリ言うと、こういう質問をする方は、ハイドロを使うレベルではなく、基礎から勉強しなおしたほうがいいというのが私の考えです。
浸透力の得られる界面活性剤なら、基本的に何でもいいのです。こんなことがピンと来ないんですから…
結論でいいうと、シミ抜き台での作業ですから、シミ抜き台の上にある手っ取りばやいものを選べばいいのですから、私の場合だと、トリオをわずかに入れます。
浸透剤を入れることにより、ハイドロがシミ部分に染み込みやすくなります。
染み込みやすくすることにより、ハイドロの量が少なくて済むようになります。
逆にいうと、浸透剤がないと、ハイドロの量が多くなり、地色を壊しやすくなります。
それを、筆で広い、シミ部分に塗り、スチームで加熱するだけです。
この時、シミの壊れ具合、地色の変化に意識を集中させて、処理をしています。
加熱の状態や、筆の使い方(薬剤の塗り足し方)は、酸素系の漂白時と基本的に同じです。
放置をする場合は… 加熱で還元漂白を加速させないので、反応を促進する為に、わずかに酸性に傾けます。これは、酸を入れればいい… 何の酸でもいいです。もちろん、多少性能差がでるでしょうが…
そうそう、放置の時は、シミ抜き台でやる場合より、ハイドロの数倍以上濃度を水で薄めます。
酸を入れるのは、放置の時と、還元漂白を強くしたい時です。還元漂白は、酸素系漂白と逆で、酸を強くすれば、還元力が上ります。
ハイドロの浴中については… イラストがあった方がいいので、次に立石君にあった時にでも、彼に伝えて置きますので、このブログではなく、HPの方で紹介するようにと、思っています。
ハイドロ(還元漂白)は、色を壊す働きを持っています。
それは、色素のシミ以外にも、衣類の地色も…です。
このことを、忘れないでください。
酸素系の漂白剤より、色修正の頻度が高くなります。
ですので、修正に自信がない方は、避けたほうが無難です。
浴中での弱いハイドロの利かせ方なら大丈夫ですが…
あるいは、非常に薄い濃度で放置する場合も大丈夫です。
(あくまでも、弱い働きでした場合ですヨ!)
ハイドロの処理に入る前に…
基本は、いきなりハイドロではありません。
いきなりハイドロを使うケースもありますが、それは、そのケースがキッチリ頭に入っている人間のすることです。
いきなりハイドロを使う場合は、そのうちまた書きますが、「いきなりハイドロを使う場合は、こういうケースです」とハッキリ答えられない実力の人間は、いきなりハイドロを使うのをやめてください。
ハイドロの前に、トリオ、ピンキーなどで、色素のシミを処理してからです。
ハイドロの前にこの処理をするかどうかでも、ハイドロの効き方が変わりますし、失敗も減ります。
ハイドロは、自信がない方は、使用しないか、最小限の使い方で止めてください!
本当に酸素系漂白を使いこなせている場合、内側からフツフツと自信のようなモノが滲み出てきます。それから、使っても遅くありません。
酸素系の漂白を使いこなすとは…
@地色のわずかな変化を体感できる
A生地のわずかな脆化具合が体感できる
B酸素系漂白なら、超上級者と、全く同じレベルまでできる
その気になれば、自分でシミ抜き教室の先生ができるレベルです。もしくは、酸素系漂白なら、シミ抜きの先生にも負けないと感じるレベルです。
現場作業者でない方には、さらに…
(パートさんは、上記のレベルまでOKだと思っています。)
Cいろんな特殊な使い方に応用できる。
(シミ抜きは一様なモノではないです。)
D総合的に考えて、スピードアップができる。
(一点一点チマチマしない
←ただ、応用が効かない証拠なだけです。)
CDのレベルガ適切になると…
一度、チラリと他者のやり方を見ただけで、たちどころにコピーができ、それ以上のシミ抜きが瞬時にできます。
例えば、私はシミ抜きの全てを知っている訳ではないです。しかし、一度見たら、すぐに瞬間的にコピーできます。
でも、シミ抜きの構造が頭の中に入っていれば、当たり前のことなのです。
もう長らく、わざわざ、シミ抜き見に行くことはありませんが、数年前にある地方に、私がシミ抜きを習った先生のことを、「下手くそ!」と豪語しているちょっとしたシミ抜きの先生のような方がいました。
父がその噂を聞きつけ…「見に行って来い!」と指令が私に出ました。
で、確かに、今までに見たことのないユニークなシミ抜き… でも、30分もしないうちに、ノウハウの全てが分り、私が先方に、「あなたのやっているシミ抜きのポイントは、○○です。これから、△△を改良しないさい。すると、もっと上手くなるヨ!」と、アドバイスしまいした。結果的には、すごく喜んでいただきました。
でも、別に大した方法でないので、私は自分のシミ抜きに取り入れていません。ま、確かにそれなりの除去率はありましたが…
面白かったのは、蛍光剤を悪魔の量(笑)を使っていました。はは〜ん、オヤジのやつ、この白さをみて、驚いたんだなぁ〜と私的には噴出しましたが… ま、これも一つの方法ですけどネ!
あ、蛍光剤もシミ抜きというか事故処理使いますヨ!
以前、ブログに書いたか、ブログのコメントで書いたか…
また、そのうち、この辺も…