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「スピードの追求 シミ抜き」  2006/11/23

世間一般では、クリーニングは売上がダウン気味ですが… こだわりのクリーニングをシッカリされている会社は… 商品が自然と集まって、夜遅くまで仕事をされているという事が起こっているいるようです。

最近は聞きませんが、昨年は「お陰さまで仕事が忙しくなりましたが、過労で入院しました」という旨の連絡を数件いただきました。たまたま体調の優れない時と忙しさが重なったのだろうけど…

できるだけ手早く処理をして… 深夜まで… 仕事となりませんように!


私見では、シミ抜きをする時、大切なポイントの一つが… スピードの追求です。

私もシミ抜きを最初は習いました。私が習ったことで、一番良かったなぁ〜と今も思っている事は、私のシミ抜きの先生はスピードを重要視した方だった事です。


「シミ抜きの職人ってのはね… もともとそこに付いていちゃいけないモノを取るのが仕事。他の職人さんは、自分の作品が残るけど… シミ抜き職人の場合は、元の状態にもどすだけで、作品が残らないのが特徴だ。山崎君のクリーニングもそうだろ!

元の状態に戻すだけなんだから… 時間をかけても誰も誉めてくれない。他の人が10の量の仕事をする間に、倍の20の量の仕事をすることこそ肝心である!」と習いました。

「先生、ということは、キチンと除去できていることが前提ですが、一番速いシミ抜きをすることを心掛けよということですネ!」

「もし、同じシミなら、一番速く除去したヤツが一番偉い! そういう世界だ!」

「ということは、先生は、世界で最も早いシミ抜きができるという訳ですネ…」

「う〜ん、世界で一番速いかどうかは分らないけど… ワシ、けっこう速いヨ!」


ここで、私はニンマリしました♪

この先生より速いシミ抜きをすれば… 先生がいうシミ抜きの一番偉いヤツになれるのですから…

以後、私は、シミ抜き=スピードの追及となっています。

そして、どうせスピードの追求をやるなら… 自分がより速いシミ抜きをやるのはもちろん、自分の所のパートさんの処理スピードでも… あの先生に勝ってやろうと、考えたのです。


シミ抜きは、道具を使いますから… 道具の整備こそ命です!

私は出先のクリーニング会社でシミ抜きをするのを嫌います。その理由は簡単で、整備されているシミ抜き台にメッタに出会うことがないからです。

“なんじゃぁ〜、このやりにくい台は…”

とんでもなくシツコイシミ… これは通常の事では取れません。かなりキツイシミ抜きを要求されます。こういう場合は、繊維の微妙な変化に意識を持っていかなければならないのに、粗雑なシミ抜き台だと… ものすごく細かい所に神経を持って行きにくいのです。


さて、そんな細かい所まで意識しなくとも…

薬剤を、サッと取り出しやすいですか?

シミ抜きをする前の衣類の置いている位置、シミ抜き後の衣類の置く位置…

シミ抜き台から、浴中の処理に転化する場合、いちいちトコトコ歩かないようにレイアウトを工夫していますか?

浴中の処理の後の乾燥関連の整備…

放置のテクニックを上手く連動させるんだけど… 放置と言っても、そのままの放置と… 熱を与える放置と… 蒸しだす放置と… 松井さん得意のビーカーの加熱の放置と… これも全て流れ作業のようにサッとできるように整備していないと…


私は、シミ抜きをする時、いつも… どうすれば、ちょっとでも早く処理ができるのか… そんなことばっかり考えています。






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