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「イオンの反応で・・・色素を・・・」 2006/10/7
今日は、久々に先日の名古屋でした講習会の復習を兼ねて、ケミカルの話題をしてみましょう。
別に化学のことは、完全に覚えなくで大丈夫です…
しかし、ちょっと予備知識があると、ずいぶんと変わってきますので、知っておくと方がいいかなぁ〜と思っています。
今日は、順番からいくと…
化学反応で取れるシミのなかでも、イオン性のシミについて、勉強してみましょう。
イオン性のシミ、なぁ〜んて、一般にはあまり言いませんネ!
一般的には、イオン性のシミというより、色素のシミと表現する方が多いです。
厳密には、色素のシミも… 染料系のものと顔料系のものがありますから、今日の主役は、染料系の分子レベルでイオンでくっ付いているシミ抜きです。
分子がイオンでくっ付いているのを、イオン結合といいます。
染料は、イオン結合以外にも、水素結合や、ファンデルワース力などで、繊維にくっ付いています。こちらの水素結合や、ファンデルワース力は、比較的イオン結合より離れやすいので、シミ抜き時は、対応しやすいです。
温度をあげたり、アンモニアなどで、簡単に動いちゃう色が、この二つでくっ付いているものです。
特にファンデルワース力なんて、乗っかっちゃているだけだから、すぐ取れます。
ドライクリーニングで簡単に色が流れた… なぁ〜んてのは、この辺でしかくっ付いていない色なんじゃないのかなぁ〜
イオン結合でくっ付いているものを、いかに取るかがポイントです。
この辺は、何度も言っているので、なんとなくは皆さんご存知のはずですネ。
シミ抜きの世界で、高温処理とかしているのは、イオン結合の離し方が分らないから、とりあえずメチャクチャ温度をかけようとした、時代遅れのポイントのズレたノウハウです。
上の図は、酸性染料が繊維にくっ付いている分子レベルの図ですが、水素結合、ファンデルワース力、イオン結合と順にならんでいます。
立石君がDCCのHPの化学の所に、いろんな結合の事を説明してくれていますが、あれは、色素のシミ抜きをもう一歩踏み込んで理解する時に必要なので説明してもらいました。
染料の構造は覚える必要がありません。ただ、自然と頭に入ってくるでしょう。
‐N=N−のアゾ基があるモノが発色がよく、染料となっているモノが多いですし… OH基があるから水素結合ができるし… SO3−(マイナス)があるから、ブラスので電気を帯びたものにくっ付く…
詳細は、SO3Na
→
SO3Na+ → SO3−となり、マイナスの電気をおび、繊維のプラスの電気を帯びているNHなどの部分に結合。
この化学式も覚える必要がありません。
ただ、SO3は、スルホン酸(SO3H)のHが取れたものだけど… これは、合成洗剤などによく使われるモノです。たぶん、皆さんも使っているはずです。
石鹸はカルボン酸(COOH)を持っているのに対して、合成洗剤はいろいろありますがスルホン酸(SO3H)を持っているものが多いですネ!
また、いつか洗剤の説明の時に、またカルボン酸やスルホン酸が出てくると思います。
以前、たまたま私が染料の中にスルホン酸があるのを見つけて…
「なぁ〜んや、合成洗剤そっくりやなぁ〜」と言うと、松井さんが、ニヤッと笑って「その部分は、一緒ですワ〜」
これで、なるほどと思いました。
知識が繋がったのです。
化学のことは、一度に覚えると大変ですから、時折このようにして、繰り返し繰り返し、ブログ等で話題にしていきます。
読んでいると… いつのまにか… グ〜ンと知識が付くようになると思います。
たぶん、一年後は… 今、なんかややこしいなぁ〜と思っていた内容が、あれ?スラスラ分るわぁ〜となっていることと思います。
たぶん、ちょっと勉強すれば、業界で先生をしている方より知識が付くと思います。
一緒に頑張りましょう!
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